【賃料増額の正当理由】固定資産税が上がったら家賃は上げられる?~借地借家法32条で認められる“家賃値上げの根拠”を弁護士が解説~

固定資産税だけが上がり続け、賃料は据え置きのまま…。
多くのオーナーが抱えるこの問題は、賃料増額請求(借地借家法32条)で解消できるかもしれません。
本コラムでは、民事調停官の経験を有する福岡の弁護士の視点から、
- 固定資産税が上がれば賃料も上がるのか
- オーナーはどうすればいいのか
- 実務上の正しい進め方
を解説します。
■ 固定資産税の上昇は「賃料増額請求の正当な理由」になるのか?
借地借家法32条は、賃料が不相当になった場合に賃料増額請求を認めています。
その判断要素として明記されているのが、「租税公課(固定資産税など)の増減」。
つまり、固定資産税が上がったことは、家賃値上げの正当な理由の一つとして法律が認めているということです。
■ 判例の結論:固定資産税が上がっただけでは家賃は自動的に上がらない
ここが最重要ポイントです。
裁判所は、「固定資産税の上昇=即・賃料増額」ではないという立場を取っています。
賃料は以下の複数要素を総合的に判断するためです。
- 周辺の家賃相場
- 地価の上昇・下落
- 経済事情の変動
- 長期間の賃料据え置き
- 建物・土地の維持管理コストの増加
固定資産税の上昇はあくまで「賃料増額の材料の一つ」に過ぎません。
■ 実務で成功させるには「複数の根拠」をセットで示すこと
賃料増額を実現するためには、【固定資産税の上昇+相場データ+地価動向】を組み合わせて主張することが不可欠です。
特に重要なのは次の3点です。
① 固定資産税の評価額の推移―税額の増加を客観的に示す資料が必要。
② 周辺賃料相場の調査―近隣物件との比較は説得力が大きい。
③ 長期間の据え置きによる不相当性―10年以上改定していないケースは強い根拠になることが多い。
これらを整理し、「総合的に見て賃料が不相当である」と示すことが、実務上の勝ち筋です。
■ まとめ:固定資産税の負担増は“賃料見直しのタイミング”
いずれにせよ、固定資産税の上昇は、賃料増額請求の強力な根拠になり得ますので、固定資産税の負担増を実感したときが、賃料見直しのタイミングと言えそうです。
福岡県、特に福岡市中央部、小倉駅周辺、久留米駅周辺は、現在固定資産税が増大していると言えるでしょう。
賃料増額を成功させるには、
- 法律の理解
- データ収集
- 交渉戦略
が欠かせません。
固定資産税の負担感が増しているオーナーの方は、ぜひ一度ご相談ください。
物件の状況に合わせて、賃料増額の可能性を弁護士が具体的に分析します。


