健康管理こそ老後資産運用
コラム

健康管理こそ老後資産運用

【質問】

私はつい先日定年退職したばかりの60歳です。子育ても一段落しまして、妻との老後の生活が関心事で、老後必要なお金がどのくらいかかるかを計算したりしています。当然ではありますが、私達が長生きすればするほどお金がかかります。年金だけでは足りないのでどこかで働いて収入を得ようと思いますが、そのような考え方でいいでしょうか。

【回答】

そうですね、老後の生活を快適に過ごすためには、一定のお金を確保しておくことが必要になります。年金だけで快適な生活ができればいいのですがそうもいきません。年金収入以外の収入がない限りは、貯蓄は徐々に減っていき、長生きすればするほどリスクが大きくなるというジレンマがあります。したがって、年収入以外の収入源を確保しようとするのが重要なのはいうまでもありません。

ただ、今回は、健康を維持することこそが最も効果的だという話をしたいと思います。日本人の寿命は男性81.64歳、女性87.74歳です(厚生労働省作成:令和元年簡易生命表の概況)。一方で、健康寿命(=健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)は男性72.14歳、女性74.79歳です(厚生労働省作成:第11回健康日本21推進専門委員会資料)と言われています。つまり、男性は9年、女性は13年くらい健康ではない状態で生活をするということです。この間、主に医療費や介護費用などの費用がのしかかります。また、働いて収入を得ることができる期間が短縮するので、資産が増えない一方で減り続けるという二重苦となります。したがって、寿命と健康寿命の差を最小化し、稼働期間を長くし支出を抑えることができれば、この二重苦をクリアできます。これが何よりの資産運用と言えるのです。

月並みではありますが、食事に気をつけて、定期的な運動を行い、過不足のない睡眠をすることが大事です。健康管理自体が資産運用だと思えれば、モチベーションも上がるのではないでしょうか。

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